HIV感染者、



世界の3分の2がアフリカに

国連合同エイズ計画 (UNAIDS)の報告によれば、2011年に世界のHIV感染者数(子どもを含む)は3400万人、2011年中の新たな感染者数は250万人、この年にエイズで亡くなった人の数は、170万人と言われています。

特にサハラ以南のアフリカが世界の感染者数の3分の2以上を占め、最も多くなっています。

HIV感染者、世界の3分の2がアフリカに

すべての社会経済問題を背負うエイズ遺児

現在、エイズで片親もしくは両親を失った子ども(エイズ遺児)は、1,600万人以上(UNAIDS推計)と言われていて、その大半がアフリカ大陸サハラ以南の国々の子どもです。大切な人たちの死や、そこまでに至る過程を目の当たりにした子どもたちの心には、深い傷が残ります。

更に、病人や幼い兄弟姉妹の世話、治療・薬代を得るための仕事(ex:農作業)など、本来はおとなが行う苛酷な「おとなの仕事」を担わなくてはなりません。こうした子どもたちの多くが、食事も満足に摂れず、学校にもいけない状況に置かれています。

貧困、 飢餓、教育の不均等、搾取的労働、売春、非行など、すべての社会経済問題が、アフリカ、サハラ以南の諸国のエイズ遺児の身の上にのしかかっています。

子ども家長世帯が増加の一途

増加し続けるエイズ遺児は、片親、または両親を失うことによって、しばしば極度の貧困に陥ります。アフリカでは、これまで子どもの親が亡くなった場合、親戚や地域社会が子どもの面倒を見てきました。

しかし、HIV/エイズは、アフリカ大陸では伝統的であった大家族制度に歪みをもたらし、子ども自身や年老いた祖父母が一家の長となる子ども家長世帯が後を絶ちません。

エイズ遺児への支援が急務

ウガンダは人口約2500万人で、そのうち50%が15歳以下の子どもです。ウガンダの子ども全体に占める遺児の割合は14%で、そのうち約半数の170万人がエイズ遺児と推定されています(UNAIDS 2004)。

WHOによれば、子ども家長世帯が出てきたのは、1980年代の終わりで、ウガンダのラカイ県が最初でした。1990年代にはその数はわずかでしたが、現在は増加の一途を辿っています。エイズ遺児を含めた未来ある子どもへの支援が急務です。